それとこれとは別でしょ

最近、朝ニュースを読んで、それについて思ったことを書きなぐる機会が多し。大したネタがあるわけでもないけど、なかなか他の事が書けないなあ。

 日本のイルカ漁を描き第82回アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞を受賞し、一部の日本人からの集中バッシングを浴びていた映画『ザ・コーヴ』が、たび重なる抗議のため東京での上映を中止せざるを得ない状況になった。これ受け、全国での上映も現在協議中だという。(シネマトゥデイ)

なんかね、この映画のメッセージ自体、一方的な価値観の押し付けで、それが善意の皮をかぶって行われるという愚劣、という印象があるんですが(映画自体を観てないから、あくまで印象)、と言って、圧力で上映を中止させてしまうというのにはハゲシク違和感を感じます。

そもそもこの映画の監督はこのようにコメントしています。

日本での上映は昨年の東京国際映画祭の2回のみ。映画を批判している人たちの多くはまだ映画を観ていないのでは? 単純に、まずはこの映画を観てから判断していただきたい

まず上記のような文化的傲慢さが問題と感じているので、まあ映画を観ても結論は変わらないと思うけど、圧力で上映中止なんてやってたら、この先ずっと「日本人は観てないくせに」と同じ事を言われ続けるでしょ。

ましてや、自分と違う意見を封じて良しとしてしまうという、成熟した民主主義社会とは思えない振る舞いぶりに、「まったくこの国の民度の低さは...」なんて一方的に思われるのも忌々しい。

気に入らない意見や態度だろうと、それを受けて堂々と反論してやればいいのだ。観た上で「やはりおかしい」と返すことが、唯一の説得力のある有効な反論の方法だろう。断じて、意見を封じるなんてことではないはずだ。

その反論がどう受け止められるかは別の話だろうけど、少なくとも感情的な反発レベルでは聞くべき声として伝わらないだろうし、結果、お互いに自分の言いたいことだけキーキー言い合っている状況は変わらない。

とにかく、どうせ反論するなら、この映画を支持する人たちを折伏するところまでは行かないまでも、少なくとも「別の尺度がある」ぐらいの事を飲み込んでもらわない事には納得行かんでしょう。

そんな意味で、私はこの映画をみて、日米(米だけじゃないけど)それぞれ何がおかしいのかを確認してみたかったですよ。