修学旅行。京都や奈良に行きたかったよ

私が初めて京都に行ったのは、もう30代の後半になってから。奈良にはまだ行った事がない。

多くの人は、学生時代に修学旅行で行ってるのではないかしら。でも、私の通った中・高校は妙に酔狂なところがあったらしく、京都・奈良が修学旅行先となる機会はなかったのだ。


中学(東京都杉並区立)の修学旅行先は、金沢・能登輪島。朝市や漆塗りを見学したり。

この時買った漆塗りのお箸、大人になっても、ずーっと使ってました。「漆塗りの箸は、長いあいだ使って表面が減ってくると模様が変わってくる」ってな「ちりとてちん」のセリフに納得。

1学年4クラスで、なぜか宿はホテルと旅館に別れてました。私は旅館組だったけど、この旅館というのがクセモノで、なぜか忍者屋敷のように入り組んでいて、それだけでも十分楽しめる建物でありました。

たしか、聴濤閣と云う旅館だったと思うけど、なんだか今ではなくなってしまった様子?!もう一度行きたかったよ。

金沢にも一泊したけど、こちらはどこに行ったんだったか?金沢城に行っていたら、忘れている訳ないけど、当時はまだ金沢大学があったんだな。兼六園、行ったかなあ?当時はまだ無料公開だったはず。うーん?ナマ石川門を見た覚えがないって事は、行ってない?

金沢で一番印象に残ったのは、初めて食べた治部煮。修学旅行なので、ちゃんと事前に治部煮エピソードなども学んで行きましたよ。団体様用ですっかり冷めてたけど、それでもとても美味しいと思ったもんです。


高校(東京都立)はもっとブッ飛んでた。おそらく東京都教育委員会あたりのヒマな人が、こんな事を考えたのだ。

「全員そろって京都・奈良へ出かけて史跡見学ってのはもう時代遅れだろ。これからの時代、もっと創造的かつ生徒のアクティビティを重視する内容に変えてゆこうよ」

てな訳で、さっそくウチの学校(のウチの学年)がお試し校として、この新機軸を実行に移すことになったですよ。

具体的には、1学年を「岩手で民芸品作り」「牧場で牧畜体験」「八甲田山で春スキー」の3コースに分けて、希望コースに参加させるというもの。ちなみに高校も1学年4クラスでした。

所属クラスに行動がしばられないのはいいけど、せっかくの修学旅行なのに全員そろわないというのも、考えてみれば残念な話かもね。

ウチの学校はいつもこんな役まわり。なんでも「都立高校中、あいうえお順で一番最初だから、なんでも最初にやらされる」とかなんとかセンセイが言ってたけど、ホントかね。でも、言われてみれば他に思い当たるフシも...

えーと、私は「八甲田で春スキー」に参加しましたよ。スキーも楽しかったけど、夜の「班対抗出し物会?」用の芝居の仕込みと本番が一番印象に残ったです。

八甲田山死の彷徨」のあとがきに書かれていた、行進して基地に帰ってくる「遭難した連隊の霊」を、連隊長が山へ返すというエピソード。軍靴や門の開閉SEなど現地で作成。地元ネタだけに、コーチのお兄さん達絶賛。優勝しましたよ、はい。

それにしても、この新機軸、結局どういう評価だったのかな?他の都立高校にも展開されて、以後定着したのかな?もしそうなら、私達のモルモット的実験体験もムダではなかったという事か。

それとも、あっさり「やっぱダメだわ」とかだったのか?どうだったんだろう。後輩達はどうだったかな?昔過ぎて覚えてないや(笑)。


双方とも面白い修学旅行ではあったけどね、でも私は子供の頃からの歴史好きだったので、マンネリでも良いから、ホントは修学旅行で京都・奈良に行ってみたかったよ。

時間と場所を割り切って、移動の心配まったくナシで、ポイントポイントをクラスのみんなでまわって行くって楽しそう。というか、大人になったら逆にそんなモッタイナイ事できないから、畢竟、手間も時間もお金もかかりがち。

大人になって京都で見かけた修学旅行の学生達をみて、そんな具合に思ったなあ。