The Giving Tree

子供の頃から絵本ってあまり読まなかったかなあ?という気がしてます。とりあえず、子供の頃に「この絵本が好きだった」という記憶があまりない。

好きな絵本はあります。でもそれはある程度大きくなってから好きになったモノ。その中でも、おそらくもっとも好きな絵本と思われるものに、久々に再会しました。それは先日本屋でぶらぶらしていて発見した、村上春樹の新訳による新刊でした。

おおきな木

おおきな木

おそらく多くの方が読んでいるんだろうと思いますが、私がこの絵本に出会ったのは、もう28歳になってから。友人が薦めて貸してくれた原書で読みました。The Giving Tree。

与える木。まさにタイトル通りのお話ですが、見返りを求めない愛情って、良いのか悪いのか、とにかく、なんとも切ないものである事よと、しみじみと感じ入ったものです。あまりに素晴らしいと思ったので、自分でもさっそく買いました。やはり原書で。

その後、翻訳されたものがあるのを知って、タイトルが「おおきな木」である事を知りました。なんだか翻訳の深さを垣間見たような気がしましたよ。日本語の「おおきな」という言葉が内包するイメージが、このストーリーにはより適切であるかのような気付き。

今回の新訳でもタイトルはそのままですが、名作なのであえてタイトルもそのまま、と云うよりは、村上春樹氏も同じような価値を認めたのかもしれません。もっとも、私にとっては初体験時のインパクトがあるので、あくまで「The Giving Tree」です。いずれにしても、村上春樹訳、読んでみたいです。

ところで、日本語版はどうなのか知りませんが、英語版は作者であるシェル・シルヴァスタインさんの写真が、本のサイズをフルに使ってバーンと出てきます。スキンヘアでかなりゴツイ感じ。インパクトありあり。

絵本の繊細な味わいと、著者近影のギャップが大きすぎるぞ(笑)。