ユングのタイプ論というものがあります。人間の心理的な態度を外向性と内向性に分類し、思考・感情・感覚・直感という4つの精神機能と組み合わせる性格心理学です。このタイプ論をベースに、米国人キャサリン・ブリッグスとイザベル親子が発展させたのが、MBTI(Myers-Briggs Type Indicator)という性格タイプ判定法。
MBTIでは、以下のような切り口で性格タイプを判別するとあります。
- 他人や社会との接し方(外向 E /内向 I )
- どちらの情報に注意を払うか(五感 S /直観 N )
- どのように決定を下すか(思考 T /情緒 F )
- どのように物事をすすめるか(決断 J /柔軟 P )
この4点の組み合わせで、性格の型を16通りに分類します。具体的には、テストで得られたその人のタイプをアルファベット4文字で表します。例えば私は、INFP(内向、直観、情緒、柔軟)となりました。
この手のテストというと、そんなに簡単に2分出来ない、とか言う向きもあるでしょうが、どちらかというと、誰もが両方の要素を持つ中でどのぐらいの位置なのか、混ざり具合なのか、と捉えるのが妥当と考えます。
例えば私の場合だと、外向・内向や思考・情緒はその時で結果が違うことがあります。それぞれ、立ち位置は真ん中近くの微妙なあたりにある、という事でしょうね。
ネットでもMBTIのサイトがいろいろあって、自分のタイプを調べられます(ココが人気っぽい?!タイプ別性格判断)。興味のある人はトライ!
(追記:リンク設定ミスがあったので修正しました)
- 作者: ポール D.ティーガー,バーバラ・バロン,栗木さつき
- 出版社/メーカー: 主婦の友社
- 発売日: 2008/07/01
- メディア: 単行本
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さて、本書を入手したのは、サイトの説明より、もうちょっと詳しい分析内容を読んでみたいと思ったから。特に天職が知りたかったという訳でもないけれど、これが日本語で読める中で一番お手頃な感じだったので。
でも、確かに読んだ甲斐がありました。情報量はサイトの比ではありません(笑)。それぞれの性格タイプについて、以下のような項目で説明がされています。
- 性格について
- 短所
- 実力を発揮できる職場環境
- 仕事に関連する長所と短所
- 向いている仕事
- 就職・転職で成功をおさめるには−あなたの長所を活用しよう!
- こんな落とし穴にご用心−弱点を克服する
- 希望の仕事に(まだ!)つけないのなら....いまの仕事を好きになろう!
さすがに天職についての本だけあって、やはり仕事関連の内容が多い。天職を謳っておいて「いまの仕事を好きになろう!」ってどう?(笑)、と思ったけど、ある仕事の好きになり方にも、そのタイプに合ったやり方やアプローチがあるんだなと感心。
ちなみに本書によれば、私、INFPは「心の平和を求める人、胸のうちに情熱を秘めた芸術家」だそうです。上記のタイプ別性格判断サイトでは「このタイプを一言で言えば『理想主義』である」とありました。微妙に違う感じ。
日本MBTI協会(というものがあった)によれば、MBTIは日本や海外の企業で、チームビルディングやリーダーシップ開発等に利用されているそうです。
日本ではそこまで行っていないけれど、海外ではお互いにMBTIを教えあうなどコミュニケーションツールとしても活用されているとの事。そもそもMBTIの本を社員に配布しているらしいし。
私がMBTIを知ったのは、愛読しているサイトのこの記事を読んだからですが、やはりブログ主さんの会社でもMBTI本が配布されていたそうです。
まあ、そのぐらいビジネスパーソンの信頼を獲得していると云うことなんでしょうね。
この手の本の宿命として、本の厚さの割りに読むところが少ない、というのがあります。基本部分以外は、16の性格タイプのうち、普通は自分に該当する1つしか読まないから(笑)。占いの本と似てますね。
もっとも、コミュニケーションツールとして利用されるようになれば、他の性格タイプのページも活用されるようになるでしょう。そんなところも占い本に似てる。