それでも町は廻っているポコ

出会いはスローモーションポコ

ある晩、つけっ放しになっていたTVから流れてきた、聞きなれた素敵なメロディ。なんだかゴージャスになった「Down Town」だ。

あれー、新しいアニメかー?メイド物?そう言えば最近「Down Town」と「やさしさに包まれたなら」の、いかにもなカップリングのカバーが出てたけど、これがそうかしら?

OPでつかまれてしまったので、そのままアニメを見たら、なんだか、ヤケに面白いぞ!で、今やすっかりハマってしまったのが、「それでも町は廻っている」。通称「それ町」。


メイドカフェじゃない、メイド喫茶ポコ

実際に在りそうだが、しかし実在しない東京の下町、東京急行沿線の「丸子商店街(大田区)」を中心に繰り広げられる、日常コメディとでもいうような生活感のあるファンタジー?!(矛盾してるが)

「最近メイドカフェってのがウケるらしい」という理由で、喫茶店から鞍替えした「メイド喫茶シーサイド」。そこでメイドとしてバイトする女子高生、嵐山歩鳥。これが主人公だ。

作品は、天然系?にして女子高生探偵をめざす、嵐山歩鳥のドタバタをドライバーに、純情も冒険もSFも巻き込んでの一話完結スタイルを取りつつ、時々時系列をも入り乱れさせながらストーリーを進めてゆく。

なによりスゴイのは、女子高生なのに、メイドなのに、「萌え」とも「お色気」とも、ほぼ無縁な作風が確立していることかも(笑)。

歩鳥のキャラのせい、という点も多分にあるけど、ある意味、作者の「これはギャグマンガですよー」という強烈な意思表示か?!そのくせ、時々「イイ話」が出てきたりするので油断ならないのだ。

少年キングはすごかったポコ

もっとも、ファーストインパクトはあったけれど、アニメだけでここまで入れ込んだかどうか。以前もご紹介した電子貸本Renta!にて原作を取り扱っていたので、さっそく1巻をレンタルして読んだら、もう、明らかに原作の方が味わい深くて面白かったよ!

そして、省スペース化が叫ばれる昨今の風潮に抗い、全巻購入を決断したのでした(そう、結局買ったのです笑)。思った通り、何度も何度も読み返しては堪能しております。やはり買った甲斐があった。読み返すたび、どんどん味が出てくるよ。

ただ、誰もが好きになる作品ではないかもという気もする。画がオシャレって訳でもないし、ドラマティックというのも違う。昨今のマンガの中では、どちらかと言えば地味な方だろうし、なにしろ掲載誌が少年画報社ヤングキング*1だ(笑)。たまたま波長のあった人だけがとても気に入る、というタイプの作品かも。

魚心あれば、水心ありポコ

しかし、いかに原作の方がお気に入りとは言え、最初にアニメだけ観た時でも十分面白かったし、むしろアニメの方が、より世間受けしそうな感はあるなあ。

例えば、他アニメに比べたら著しく含有量は低いけど、原作に比べると、より「萌え」な感じ(笑)。また、ナレーションの採用や、シーンの合間にちょっとしたカットを差し込む演出は、アニメ化ならではのメリハリの良さを活かして、原作よりとっつきやすくなっているように見える。

あと、アニメでは声優さんの問題というモノがある訳で、ファンの皆様方の間では喧々諤々になることもある様ですが、私は抵抗ないです。特に、小見川千明さんによる歩鳥の声は、おきゃんな下町娘な感じが良く出ていて、とてもお気に入り。

でも、OP歌ってる坂本真綾様は不参加なんですねー。そんなもんなんでしょうか。調べたら、結局「Down Town」と「やさしさに包まれたなら」のカップリングCDは、坂本真綾作品でした。

追記したポコ

えーと、アニメについて触れるなら、EDの「メイズ参上!」を忘れてはいけませんでした(笑)。
サエキけんぞう作詞、バカボン鈴木作曲、ギターは窪田晴男で、おもいっきりパール兄弟だけど、歌っているのが登場キャラのみなさんなのでパール兄弟クレジットがないのね。百人一首のメロに乙女心を乗せて唄うという秀逸なアイディアの、ナイスな一曲。

ベース、ドラムス、バイオリン、アコーディオンというフォーマットは、劇中に登場する迷路楽団「メイズ」そのまま。けっこう面白い構成。ED曲ではギターも入ってるけど、劇中の文化祭で演奏したシーンでは、ホントにこの4パートだけの曲が用意されて、なかなか味わい深かったよ。

一粒で二度おいしいポコ

そんな訳で、原作ではその味わい深さをじっくりと味わいつつ、アニメではポップなノリを楽しむという、愉快な「それ町」ライフを送ってまいりましたが、そんなアニメも今週で終了*2。楽しみが一つ減るなあ。

このマンガがすごい! 2011

ところで。「このマンガがすごい!2011」を入手してパラパラと目を通していたところ、数多くの回答者が自身のベスト5を回答するなか、一人だけ「それ町」を選んだ人がいましたよ。

なんとまさかの、やくしまるえつこ!やるなあ。評論家10人が選ぶより嬉しい!でも「荒川アンダーザブリッジ」を選ばなくて良かったの?きみがOP歌ってるのに(笑)。

*1:少年画報社ヤングキング私の少年時代にはまだ少年キングブイブイ言わせていた。「ワイルド7」や「銀河鉄道999」や「超人ロック」。ソレより昔はもっとすごかったのだけど、結局廃刊になってしまったなあ、と思っていたら、まさかのヤングキングですよ。いつの間に?!

*2:今週で終了:最終回のネタはなんだろう?タイトルからして、アレか?と楽しみに待ち中。BS-TBSでは数週遅れで放送してるので、未見の人はまだチャンスあり。