ニッポンの正義の人

大阪地検特捜部の事件で、マスコミも大騒ぎな今日この頃、暑い日々がますます熱い。みなさんいかがお過ごしでしょうか。

ここ数年、検察ヤバイんじゃないの?的書籍が目に付いていたので、そのうちなんかあるかもなあ、と思ったら、このタイミングでこの案件でか。

いろいろ思うところもあるのだけど、今回は、特に気になったところふたつについて。


各社のニュースでは、証拠の改ざん事件、という報道内容になってます。確かに直接の行動としてはそうなんだろうけど、しかし、動機と結果を考えれば、でっち上げとか冤罪事件と呼ぶべきじゃないですか。

「改ざん事件」と「冤罪事件」では受けるイメージもインパクトも違う。とりあえず、報道各社は検察その他関係方面に遠慮してるのかなー、という印象です。


もう一つ。検察を検察が取り調べるって、悪い冗談です。素人が捜査のプロを取り調べる事は(テクニカルに?)出来ないととか言ってる「ヤメ検」な方があるそうですが、お為ごかしな感じがしますよ。

もっともらしく聞こえるけど、素人でも最高裁判所の裁判官を罷免させる事が出来るし、その際の裁判官訴追委員会は、全員裁判所外部のメンバーで構成されますよ。その裁判官訴追と同じように、直接捜査をするのを検察官に委託すれば良い事で、総責任者を内部の人間がやってどうしますか。


なんにしても、以前から本がいくつも出るぐらいなので、ネタは他にもありそうという印象。なので、今回の事件を担当した主任検事個人だけの例外的なケースとして捉えるのはちょっと釈然としない感じ。と言って、内部捜査だけで構造的な問題の本質に手が入るのか、それも想像しにくい。

特に特捜部。警察と違って事件が発覚しなくても独自捜査をすすめる事が出来るので、ホントにそこに犯罪行為があったのか?と云う点でより慎重にならざるを得ないはずなのに、実際にはどんな捜査判断上の指針があるんだろうか?なんか名人芸的なカンの世界だったりして。

事件性有無の判断から、捜査、逮捕、取調べ、起訴までワンストップで出来ちゃうなんて、21世紀の民としては不思議な感じもしますが、これが現実。これで恣意的にならないための担保ってなんだろう。個人の正義感ぐらいしか思い当たらないけど。