あえてブス殺しの汚名をきて

今日は、サッカーW杯決勝、参議院選挙、と、これでもかといわんばかりの大ネタがニュース欄を賑わしておりますが、私にとっての最大インパクトはコレ。

7月12日6時50分配信 サンケイスポーツ

 日本の戦後演劇界に革命的な一時代を築いた劇作家、つかこうへいさんが10日に肺がんのため、千葉県内の病院で死去していたことが11日、分かった。62歳だった。慶大在学中から学生劇団に加わり、「熱海殺人事件」「蒲田行進曲」などの名作を次々と発表、爆発的ブームを呼んだ。しかし、今年1月に肺がんを公表。入院して抗がん剤治療を受ける一方、病室から電話で演出指導をするなど、最後まで芝居への執念を見せたが、ついに力尽きた。

肺がんを公表してたし、さすがに危ないかなあ?なんて思ってたけど、まさかこんなに早く逝ってしまうとは。

ビートルズモンティ・パイソンインパクトを受けたのが中学時代。これがその後の私の血肉となってゆくのですが、その後、高校卒業ぐらいからの10年間、もっとも血肉化したものは、つかこうへいの舞台と本、だったと思ってきた。

滑稽なまでに誠実で一生懸命な登場人物を、やさしさを秘めた視線と独特の諧謔で動かしてゆくおもしろさ、せつなさ。音響と言葉を巧みに操りつつ観客を引き込むスピード感あふれる舞台。

芝居の数としては、そんなに体験できた訳ではなかったなあ。70年代終盤から80年代前半にかけて、紀伊國屋ホールで「熱海殺人事件」と「蒲田行進曲」を2回ずつ。そして北区劇団になってからの「飛龍伝(内田有紀版)」ぐらいか。

やはり、接した比重としては、圧倒的に本の方が多い。80年代までに出ていた、ほとんどすべての「小説版」「脚本版」「エッセイ」を繰り返し読んでいたです。そこからあふれだす「つかこうへい流のセンス」に、私は影響を受けまくって生きてきた。

そんな訳で、正直な所、今日はジョン・レノンが亡くなった時に近い喪失感があります。これからの人生でも、ひっそりとしかし確実に、つかこうへいを読み続けることでしょう。

エントリのタイトルは、つかこうへいの最初のエッセイ集から。知ってる人には、それが「熱海殺人事件」からの引用であることが分かります。この本は、いつでも手元に置いておくべき本のひとつとして、いままで何冊か買ってます。写真は今持ってる版。多分100円で買った古本。

合掌。