チケット代設定の適当さ

 韓国の俳優イ・ビョンホン(39)が主演するTBS「IRIS―アイリス―」のイベントが1日、さいたまスーパーアリーナで開かれ、前代未聞のトラブルが起きた。券売済みの客席に花道を設置したミスが発覚。昼夜2公演で計約2800人が購入席を失った。振り替え席が用意されたものの、納得のいかない観客は猛抗議。両公演とも開演が1時間遅れるなど騒然となった。

 「ふざけるな」「信じられない」。昼公演開演時刻の午後2時。幕は開かず、ホール入り口のロビーでは主婦ら女性客の怒号が激しく飛び交い、韓流スターが集う華やかな舞台が騒然となった。

 ステージ左右のスタンド席最前列から9列目まで、券売済みの約1400席に巨大な花道を作ったことが原因。午後1時の開場直前に発覚し、急きょ4、5階席に振り替え席を設けたものの、納得のいかない観客が関係者に詰め寄り号泣する人も。ロビーにあった柵を蹴り倒して抗議する女性ファンもいた。
 主催した運営会社オンザライン(東京都港区)の担当者は「発券側と設営側の連携が悪かったことが原因」と釈明。購入席を失った客を後方席へ誘導する中で、一部ファンがアリーナ席へ突入。4・5階席に移った客から「不公平」「精神的な苦痛をどうしてくれる」との声があがり、さらに混乱。夜公演でも同様の騒動が起こり、観客からの通報で警察官15人が出動する事態に発展した。

 同社によると、昼の開演前に全席9800円のチケットを払い戻したのは3人。夜公演でも払い戻しを求めるファンが列を作った。スタンド最前列のチケットを持っていた静岡県の20代女性は「後ろになるなら見ない!」と激高。東京都葛飾区から訪れた70代女性はつえをつきながら「ビョン様のファンで楽しみにしていたけど、私みたいな足の悪いおばあちゃんは4階まで上れないので帰るしかない」と無念の表情で会場を後にした。

 ステージに上がったビョンホンは「トラブルによってスタートが遅れてしまい申し訳ないです」と観客に謝罪。その上で「準備したことを200%出し尽くしますので広い心で理解してください」と呼びかけ、客席から拍手を浴びた。ドラマを放映中のTBSは「運営上の不手際によりお客さまにご迷惑をおかけしましたことを深くおわびいたします」と回答。オンザラインは「振り替えのアナウンスが遅れたこともトラブルの原因。このようなことがないようにしたい」と反省していた。

いやー、相変わらず韓流ファンのおば様たちのパワーはすごいわ。という事ではなく。これ、怒って当然だよね。私なら怒る。

「スタンド席最前列から9列目」から、当日いきなり「4、5階席」に移れと言われても。平気でそんな無茶な事を言えてしまうのも、「全席9800円のチケット」という売り方をしてるからでしょ。同じ料金なんだからどの席でもいいだろう、というプロモーターの考えが透けて見える。

私はかねてからチケット代をもっと差別化しろという主張しております(2005-08-21 チケット代差別化)が、さいたまスーパーアリーナで「全席9800円のチケット」ってのは、通常の音楽ライブよりもひどい。そんなナメた事ができるのも、韓流ファンのおばちゃん達なら文句も出ないだろう、という事なんだろうな、と断言してしまおう。まあプロモーターはラクですからね、全部同じ料金ってのは。

でも、現状では改善される気配はまったくないですね。ひとつには観客側が「そういうもの」だと思っているという事もあるし、それでも回るんだからプロモーターも変える必要は感じていないでしょう。もはや出演者側からの要請でもない限り。でも出演者側だって、多くは今のような制度の中でライブを経験しながら育ってきたんだろうから、やはり「そういうもの」だと思ってるんだろうなあ。

となると、あとはガイアツか。海外のライブはかなり細かくチケット代が差別化されてますので、当然出演者側だって「そういうもの」だと思ってるでしょうから。でもなあ....