いやあ、やっと出ましたよ。ビートルズのキャピトル盤ボックスvol.2。予約購入して、ようやく今週ブツが届きました。
ビートルズは英国オリジナルのカタログで聴かなければイカン!という声もあるかとは思いますが、私がビートルズを聴き始めたアナログ時代は国によっていろんな編集盤があって、また選曲だけでなく音質もそれぞれ違ったりして、それぞれにそれなりの面白さがありました。
そんなごった煮状態の中から、本人たちが意図した音の出る英国盤を聴くのがスジだろうと英国パーロフォン原盤でレコードを揃えながらも、独特のサウンドを持つ米キャピトル盤を見ないフリなぞは到底出来ず、結局それはそれで全部揃える事になりました。
アルバムへの思い入れという点では、必ずしも英国盤だから良しとするわけではありません。むしろ初期のアルバムはキャピトル盤の方でより多く聴いていたのではないかしら。
今回のボックスセットの個人的目玉はサントラ盤の"HELP!"で、キャピトルのカタログでは"THE BEATLES' SECOND ALBUM"と一、二を争うお気に入りアルバムなのです。ところが以外にも今回いい感じで耳に入ってきたのは"Rubber Soul"だったのでした。
ブライアン・ウィルソンが"Rubber Soul"に触発され、対抗して"Pet Sounds"を作り出したという有名な話がありますが、でもブライアンが聴いてたのって、アメリカ盤だったんだよなあ?!という内輪のちょっとした笑い話(?)があります。
名前は同じでも中身は大違い。そのぐらい当時のアメリカ盤はオリジナルのアルバムを勝手に編集して乱発された妙なレコード、というのが今日のビートルズファンの認識ではないでしょうか。
しかし、このキャピトル盤"Rubber Soul"、そんなに悪くない。アナログの頃の印象はほとんどないけれど、改めて聴いてみるとちゃんとオリジナル"Rubber Soul"な感じもありつつ、ちょっと毛色が違っていて楽しい。しらばっくれて"Help!"の曲が混ざっていても気にならないのが、このアルバムの微妙な立ち位置かもしれませぬ。そもそも"Wait"だって"Help!"のアウトテイクだけど。
今回気づいたのは、オリジナルで"You Won't See Me"と"Nowhere Man"が続いているのに違和感があるので、それがないだけで両方引き立つような印象を受たことかしら。あと妙なミックスがところどころに散見されますね。これもアナログ時代は全然気づいてなかった。
元々前後の"HELP!"と"Yesterday And Today"がかなりお気に入りなので、"Rubber Soul"を再評価することによって、初期はオリジナル盤よりもキャピトル編集盤で聴くほうが好きという評価が、さらに補強されてしまったかなあ。