エスカレータ

以前、TVで番組と番組の合間の5分番組で、日本エレベータ協会の人が、エスカレータで歩くのは正しい使い方ではない、と主張しているのを見て、おや?と思ったことがあります。すると今日は、トリビアの泉で、エスカレータの片側を開けるのは正しくない、というネタがあり、やはり日本エスカレータ協会の人が同じ主張を繰り返しておりました。合間の5分番組とは違って、こちらは影響力がありそうだ(笑)。

世の中では、エスカレータのどちら側に立つか、というギロンと共に、エスカレータを歩くことの是非についても多くの人が語っております。批判もあるかと思いますが、あえて結論だけ言ってしまうと、私はエスカレータも動く歩道も「歩くもの」だと思っています。

ここでは、その是非を語るのではなく、ちょっと気づいたことについて書いてみたいと思います。

そもそも子供の頃に大阪万博があって、その時のトピックとして動く歩道というモノを知ったのだけど、その時は歩いて利用するものだったという覚えがあります。思えば、これが「歩くもの」だと思い始めたきっかけのように思います。

これは後から知ったのだけど、日本でエスカレータの片側を空けるようになったのも、大阪万博がきっかけだったそうです。これは海外からのお客さんを困惑させないように、ということだったそうですが。

エスカレータも動く歩道も西欧から導入したものだし、彼等の使い方がそうであるならば、それが標準だろうというのが私の理解でした。単純なもんです。

でも、なかには歩きたくない人もいるだろうから、そういう場合は道をふさがずに片側によっておく、という理解だったのですね、私にとっては。急ぎたい人のために片側を空けておく、ではなく、休みたい人は歩かずに片側によって道を空けておく、というものだと思っていたわけです。

トリビアの放送後、エスカレータを歩くな、という人たちの意見をググって読んでいると、それぞれ根拠を挙げてその非を説いているのですが、意識しているのかいないのか、どうもその根本の前提が、エスカレータや動く歩道は「動かずに運んでもらうもの」だと信じて疑っていないのではなかろうかと気づきました。その是非はともかく、なるほど、これではなかなか話もかみ合わないだろうなあ、としみじみ感じ入っております。


最後に、是非は語らずといいつつ、日本エスカレータ協会の主張にはちょっと疑問に感じる部分もあるので、その点について触れておきます。

その1。以前見た番組では、構造上エスカレータは歩いて利用するようになっていないと主張しておりましたが、だったら海外のエスカレータ協会でもメーカでもいいけど、エスカレータでは歩かないでくださいと主張しているところがあるのだろうか?

その2。今日のトリビアでは、片側に乗るとバランスが悪くなり具合が良くないというお話でしたが、きれいに片側通行のロンドンの地下鉄のエスカレータなんて木製だったよ。どう考えても日本国のエスカレータの方が頑丈そうなのに、そんなことが不都合なの?

まあ根拠を挙げれば安全性を脅かす要因はいろいろとあるだろうけど、逆に言うとその程度の使用も想定した上で安全品質管理がされているのではないのか聞いてみたい気もします。このような国内の団体や一部地方自治体が口やかましく使用法の限定を主張するのには、なるべく責任を問われたくないというお役所仕事ぶりを感じてしまう、というのはうがち過ぎでしょうか。