Suicaの便利、あるいはコンビニの支払い

1989年4月の消費税導入よりいまいましく思っていることがありまして、それはナニかというと、一円玉や五円玉が大幅に生活に入り込んできて、小銭の支払いや受取りが煩わしくなったことであります。

あれからすでに16年も経っているので、すでに若い人などにとってはそれがごくフツーな事なのかもしれませんが、それまでの日本国では、スーパーで安売98円なんて買物になじみのあるお母さん方を除いて、1円単位の価格設定というものはかなりめずらしいモノになっていたのです。たとえばサラリーマンや学生などが、生活のなかで1円玉や5円玉に接する機会はほとんどなかったと言ってよいかと。

私にとっては、消費税という税金を払うことよりも、小銭の煩わしさの方が遥かにイヤだったんですね。消費税導入後、10円単位の(少なくとも当時の感覚で)キリの良い値上げを避けてハンパな価格設定になった理由はいろいろとあるでしょうが、しかし私はこのことが社会全体に及ぼした非効率というか生産性の低下はバカにならないんじゃないかと思ってました。
最近、レジでのやり取り時間を減らし作業効率を上げて顧客の待ち時間を減らす(そして回転率を上げる)ために1円単位の価格設定を廃止したマクドナルドなど、なぜもっと早くそう考える店舗が出なかったのかと思うぐらい私にとっては当たり前な感覚に見えました。バリューセットよりもっと価値があるサービスだと思いましたよ*1

最近になって、お役所から消費税をすべて内税とせよというお達しが出たとき、少しはこの風潮が改まるかと思ったら、今のところそんな気配はあまりありませんね。ハンパな値段のまま定価になっただけで。昔の日本人がみたらなんとも気持ち悪く感じると思うのですが、すでに日本人はこの16年で「そういうもの」だという感覚を身に着けてしまったのでしょうね。

まあ気持ち悪いかどうかはさておき、依然として支払いの煩雑さは続いているわけで、現在においてそれが一番ストレスとして感じられるのがコンビニなんではないかな、と思っているわけですが、最近、ファミリーマートSuicaでの支払いが可能になり、もう日常の中で圧倒的にファミマを選んで買い物をすることが多くなりました。

エディで支払えたりする店もありますが、すでにSuicaは日常的に利用しているので、結果的にファミマ偏愛状態になっております。JRの支払い以外に用途が出来たので、以前に比べてチャージの金額も多めになりました。もうJRの思うツボ(笑)。

ところで、店をあげてSuicaを使ってねキャンペーンをやっているファミマですが、難点を挙げるとすると、Suicaで支払う際のレジでのアクションがちょっと複雑なのか、Suica送受信用デバイスを認識させるまでの時間がちょっとかかるのが気になってます。この点は将来的には改善されると思うのですが。あと、いつも利用している店で、いつもと違う時間に利用してたまたま店長がレジにいたのですが、肝心の店長に、このシステムのメリットをあまり理解していないのかなあ?という対応を受けたことがあります*2

それでも、他に小銭入れの中をいじくりまわしてるお客さんよりはさっさと支払いを済ませることが出来て*3、本人も店員も後ろに並んだ人たちもみんなハッピーなんじゃないかなと思ってます。こうなってくると、もっとこのような利用機会が増えるといいなあと思うのですが、まったくもって、ますますJRの思うツボ(笑)。

*1:関係ありませんが、昔、海外のマクドナルドを使ったことがある人は、海外にはバリューセットというものがあるという事を知っていたと思いますが、日本のマクドナルドではその手のセット割引というのはかなり後年になるまで、ほとんどありませんでした。今から思うとそれほど強気だったのかな。

*2:買い物のブツをレジに出してSuicaを見せれば、何も言わなくても店員はすぐにSuica支払い処理に入ってくれますが、この時店長に「Suicaで払うの?ねえ?ねえ?」と私が反応するまで「ねえ?」を2回も繰り返しました。使ってねキャンペーンやってるんじゃないの?私が気にしすぎ?でも他になんだと思う可能性があるのかな?カードを見せびらかしてるとでも?(笑)

*3:たまたまですが、初めて支払いでSuicaを使った日、別のレジでは小銭を床にぶちまけて朝の殺伐としたレジの列をさらに殺伐とさせているシーンを目撃し、カード一発で支払いを済ませることの幸せをかみしめたものです