インドのこと その1 はじめに

昨年の春、長い間の念願かなって、はじめてインドを訪れました。その体験をどこかでまとめてみようとなんとなく思っていたのですが、世間にはすでにとても面白いインド旅行記があり(たとえばココ)、一方自分ではそう面白いモノが提供できそうにないと悟るに至りました。第一、カメラを持参しなかったので、写真というものが一切存在しておりませぬ。そもそもウェブでの旅行記としては、これはかなりマイナス・ポイントであると思います。そこであっさり旅行記というアイディアは捨てて、不定期にいくつかのトピックを思いついたまま書いてみることにしました。

そもそもインドに行きたいと思い始めたのは、いつどんなきっかけだったのでしょうか、実はまったく覚えてないんですが、少なくとも20代のはじめ頃にはそう思っていたのは確かです。きっかけはビートルズ?のような気もするけどそうでないような気もする。とにかくその頃は、一番行きたい国は中国、二番目がインド、と意識していたわけです。幸運にも中国を訪れる機会はそのすぐ後、私が24歳になってすぐにやってきました。私にとっては初めての海外渡航、しかも客船による長い船上生活付きという体験はかなり強烈なインパクトとなり、そのせいか帰国してからもしばらく奇妙な生活感が残りました。
その後社会人になり、仕事などもあって海外を訪れる機会はたくさんありましたが、ついにインドには行かずじまいだったのです。ひとつには、インドに行くなら長期滞在という意識があったため、ちょっとした休みで行っても仕様がないという気持ちもあったかもしれません。

そんな私がやっとインド行きを実行できたのは、仕事を辞めて時間が自由に取れるようになったからです。まあ結局は諸事情のために半月ほどの短縮日程になってしまったのですが、とにかく時間が取れるという開放感がインド行きを決断させたことは間違いありません。しかしながら、実際にはそれでもアレコレ日程的な束縛があって、このままでは企画倒れかも?という危機感から、エイヤっとかなり突発的に飛行機の手配をしたのでした。計画性皆無(笑)。とりあえずデリーに最初のホテルだけ取って、後は現地で考えようというぐらいのアバウトさでインドに旅立ったのでありました。