気持ちはよくわかる

さっそく公選法違反で逮捕者が出ましたよ。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050831-00000049-jij-pol

演説妨害とのことですが、「朝から名前の連呼ばかりで、郵政のことも何も言わないので頭にきた」という主張は実によくわかります。ただ候補の名前のみを連呼する選挙カーには、私もかねてから腹を据えかねております。その点、実にこの犯人氏は私の同志ともいえましょう。

なるほど、確かに犯人氏の行動は法律に触れるモノだったかもしれないが、しかし以下の選管の説明を読んでみてください。なんか違うという思いがぬぐえません。

選挙運動の期間になると、連日、選挙運動用自動車からスピーカーにより候補者の名前が連呼され、とてもうるさくてたまりません。何とかならないでしょうか - 東京都選挙管理委員会「選挙Q&A」

正直なところ、そんな選挙法ならさっさと変えちまえぐらいに思うのですが。そもそも選挙運動が何のためにあるのかを考えれば、インターネットの使用問題も含め世の中変わってゆくのだから、もっとフレキシブルに対応してくれないと、本末転倒になっちゃうよ。

選挙カー問題に戻って、よしんば候補者名の連呼だけという選挙カー有権者に名前を覚えてもらう効果があったとしても、政治家としての政見に対する支持を勝ち取るという努力をほぼ放棄しているような運動の方法を選ぶ候補者に投票する価値があるのか?という、選挙というシステムの本質にかかわる問題があるんじゃないかと思うのですが。いや、そんな面倒な事を言わずとも、とにかくあらゆる選挙カーは禁止しろと声を大にして言いたいですね。

政策を訴えるモノとひたすら名前を連呼するモノとは違うという意見もあるかもしれませんが、冷静に考えれば、移動しつつ短時間のうちに視界から消えてゆく演説にどんな意味があるのか。実質的に名前の刷り込み以外の効果はないんじゃないか。そんなものならさっさとやめて、ネットなり演説会なりで主義主張を訴えてくれた方がどんなに有権者に有益であることか。

不幸な犯人氏には深く同情しつつ、そのスジのルールを作る人には猛省を促したいところです。