記憶にございません

ロッキード事件といえば、私の中学時代の世間を揺るがす大事件ベスト5に確実にランクインされる出来事でありましたが、国会での小佐野賢治氏の「記憶にございません」というセリフを連発する様は、あまりワケの分かってなかった出来の悪い厨房の私にでさえちょっとしたショックを与えたものでした。この白々しさはどうよ、人間そんなに簡単に記憶がなくなるかと。

ところが、なくなるんですよ、これが(笑)。ま、それで世の中通るかどうかは別としても、十分有り得る事であると骨身に沁みている29年後の私がここに居ます。なんだか最近よく記憶が無くなるんですよ。飲み過ぎには気をつけよう。なーんだそんな事かと言うなかれ。

そもそも私は大酒しても記憶をなくさないのが自慢だったのです、つい1、2年ほど前までは。それまでは、あっても例外中の例外でした。もひとつついでに言うと、二日酔いの体験もほとんどありません。朝になってもまだ酒気帯びという事はよくありましたが、別段気分が悪かったり頭が痛かったりという事があまりないと。だけど、こちらも少し心もとなくなってきました。元々はあまり酒が強い体質ではないんですが、今までよっぽど肝臓その他諸関係器官ががんばっていたのでしょう。

毎日のように浴びるように飲んでいた頃から比べれば、最近では飲む量も機会も比較的減っているはずですが、受けるダメージはより大きくなっているようです。私自身は会社を辞めて生活環境が変わり、体質も変わったんだろうと思っているのですが、どうも頭の隅っこには「年齢」の文字がちらついたりもます。うむー。

たしか1999年のことですが、一年近くタバコを止めた事がありました。せっかく止めていたタバコをまた呑むようになったのは、その間に飲んで記憶がなくなるという機会が急増したからです。この頃までは飲酒による記憶喪失という経験はまったくなかった、と言って良いほどだったので、この状態はちょっとしたショックでした。結果、記憶を失くすぐらいなら喫煙者に戻ったほうがマシ、と思ったわけです。事実その後は元に戻ったのですが、あれから6年、最近では、もはやタバコを吸っても、なくなるときは記憶はなくなるという認識に達し(涙)、再びタバコ・フリーな状態で過ごしております。