演歌と言われれば演歌だが

今日の「のど自慢」は、ゲストが北島三郎坂本冬美という奇跡の組み合わせでございました。この二人は歌い手としてかなり自分内評価が高いです。現役(演歌)歌手でそれぞれ男女1位といってもよいです。曲も枠にはまらずなかなか面白い(これも重要)。

私は、いわゆる演歌、というのがキライなんですが、それは洋楽の方が素晴らしい!ということではなく、元々日本にあったような音楽スタイルをダメにして民衆の土着音楽への目をくもらせた、と目のカタキにしているからなんです。なので「演歌は日本の心」なんて言われると、ちゃぶ台をひっくり返したくなるという性向があります(笑)。まあその話はまたいずれ。

まあ表面的に言えば、一般に演歌というカテゴリーに入れられた歌手で、好きな人は案外居たりします。そういう人は「実は人が言うような『演歌』ではないよなあ」と思うことも多いと。

例えば、美空ひばり。母親が大好きで子供の頃からさんざん聴かされてきたせいか、物心付いた頃からかなり好きな歌い手です。声も好きだし上手いと思う。で、曲が、特に若い頃の曲って「演歌」ではないよなあ、と強く思うわけです。ではソレはナニかといわれると「歌謡曲」だろうと。和風色の強い曲(=演歌じゃないですよ)も面白いけど、ソレに混じって、けっこうモダンな感覚の曲もあります。

いま一般に言われる演歌とは、私の記憶では70年代ぐらいに出てきたコンセプトではないかなあ。ベタベタな関係性を前面に押し出した感性と発展性のないワンパターンなサウンド、とあえて言い切ってしまいますが、そういうモノ。あえて価値を見出すとしたら、歌い手の技量次第という部分もあって、そこが面白いことかな。

しかしそんな既成概念をやぶって、もっと日本っぽさを出しながら面白い音楽が作れるんじゃないかなあ?という思いが、若い頃からあります。私は昔からアジアの音楽が好きなので、日本の音楽がこんな具合で、ちょっと悔しいという思いもアリで。

そんな訳で、北島三郎坂本冬美のような優れた歌い手を見ると、そろそろ誰か本気で「演歌」を面白くしてやろうという奴が出てこないとイカンだろう、と思うわけであります。