5%が50%ならジョージも許してくれたか?!

今回、どうしてこんなにも珍しく短いスパンで怒っているかと言うと、アホな学者が「消費税率は10%にしないと破綻する。それでも足りないくらいだから所得税や住民税の増税も必要」と、政府予算委員会で妄言を吐いたからである。

昨今の日本国では、税収における直接税の比率を下げて、その分間接税の比率を上げようという動きがあります。マスコミの非難はともかく、しかし世間の人たちは案外違和感を感じていないように見えるのは気のせいでしょうか。少なくとも、それもやむなし、とする雰囲気があるのではないかと。

この従順さの背景には、自由競争による格差を良しとする最近の風潮があると思いますが、そこまで言わずとも、人より努力して大きな収入を得た者がより多くの税金を負担せねばならないのは不当であり、勤労者の意欲を著しく損なうので改めるべきである、という言い方なら、かなりすんなりと受け入れられるのではないかしら。

そんな訳で、まあ近頃は自由競争マンセーな方々がどうやら多数派だということにして、これが現在国内に蔓延する因循姑息をザンギリ頭並みに打ち払ってくれるという部分は確かにあるとは思うものの、本質は「強者の論理」(30年ぐらい前の、もはや手垢の付いた表現でしょうが)ですからねえ。ソレを支持しているつもりの、実は「弱者」な人たちは、そのうち足元を救われかねないよなあ、なんて思う今日この頃。

まあ、あんまり昔の左翼みたいなことは言いたくないんですが、左翼が居ようが居まいが、経済的な弱者の問題ってのはなくなりませんから。

ところでこの自由競争マンセーなセンスというのは別にアメリカ主導のグローバリズムが生んだものでもなんでもなくて、19世紀からマンチェスター派みたいな人々が主張しまくっていた訳ですが、まあ昔からあったと。でもこれって20世紀に一度破綻したんじゃないかなあ?単なる私の思い違いだったか。

私は競争をむしろ奨励したいという気持ちが強いのだけれど、どこかでバランスを取る機能が働いていないと、かなりイビツな社会になってしまうだろうという懸念があります。いずれにしても、有効なセーフティーネットがないままで競争競争といっても、社会的には別のところにシワが寄るだけという事になりかねないよねえ。あまり幸せそうではない。

で、話は急に税率の話に戻って。これだけ多くの人が不遇感を抱えている時代に、間接税比率を重くするような政策が支持されるようであれば、やはりなにかダマされているんではないか?という気がしてならないですよ。