手酌させてゴメン

中国では、お酒などを注いでもらった場合、指先でトントンとテーブルを叩いて感謝の意を表したりします。

どうしてそんなことをするようになったかというと...

むかーし昔、中国の皇帝が、あるとき水戸黄門宜しく少数のお供を連れて、身分を隠して城の外に出たそうです(いや、ここは暴れん坊将軍の方が適切か?!いずれにしてもスケール違いすぎ)。

のども渇いたので、途中茶館でお茶した時に、なんと畏れ多くも、皇帝は自らお供の者にお茶をついであげたと。びっくりしたお供達は、しかしお忍びの最中でもあるので人前で叩頭もできず、その代わりに、お茶をついでもらった時に指先だけでお辞儀(叩指?)をしたのだということです。

この話が元になり、中国ではお茶を注いでもらった時に感謝の意を表すのに指先で軽くテーブルを叩くという習慣が出来たんだそうです。一方、注いでもらう間は話題が途切れてしまうので、話の間を持たせるためにトントンするという説もあるようです。

ところで。どういう訳か、私たちの間ではこれが誤って伝わり、飲みの時に誰かが手酌したら「手酌させて、ゴメン、ゴメン」と指先でトントンとテーブルを叩くという習慣が定着したのでした。まったく逆ですねー。気づくまで10年近くかかりました(笑)。