ビーチボーイズ − 偏向編

ブライアン・ウィルソンのスマイル・ツアーの余熱冷めずで、すっかりビーチボーイズ(以下BB5)・モードになっています。しかし、今手元のMP3プレーヤに入っているのは、

  ・スマイリー・スマイル
  ・ワイルド・ハニー
  ・フレンズ
  ・20/20
  ・サンフラワー
  ・サーフズ・アップ
  ・イン・コンサート
  ・メイド・イン U.S.A.(キャピトル編集ベスト)
そして、
  ・スマイル(ブライアン・ウィルソン

といった、1960年代後半〜70年代初頭のモノに限られてます。まあベスト盤が一枚ありますけどね。私はキャピトルの2イン1のCDで買っているので、まあ時代が固まりやすいということもありますが、わりと意図的にこの時代のモノを求めた結果です。

あれこれ読んで、どうもこの時期はBB5の暗黒時代と呼ばれているらしい事を最近知りました。そうなのか(笑)。これらのアルバム以外に、オール・サマー・ロングとペットサウンズを持っていますが、これらは未収録。たぶん部屋のどこかに埋もれています。

以前から事あるごとに告白しているのですが、私はペットサウンズにそんなに感銘を受けなかったタイプです。たしかに1、2度程度しか聴いてませんけど、それよりもスマイリー・スマイルやワイルド・ハニーの方が、最初に聞いた時の引っ掛かりがあったので、こんな結果になっていると。

いくらスマイルの残骸と言われても、ブートなどで出回っていたスマイル断片自体聴いたこともなかったし、そういう身にしてみれば、比較すべき対象などなく、アルバムそれ自体を独立した存在と捕らえてしまうのは当然といえば当然の話で。そうしてみた場合、たとえばスマイリー・スマイルやワイルド・ハニーが人が言うほどダメか?と思ってました。
さらに言えば、自分自身が60年代後半〜70年代前半の音楽が好きなので、BB5に対しても、まずその辺の時代から当たってみよう、と思うのはごく自然なことだったし、そうして集めたカタログは、私にとって決してつまらないものではありませんでした。さすがに昨年ブライアンが完成させたスマイルと比べると、うーむ...これは、と唸らざるを得ないところもありますが、これはこれで良かっただろう、ぐらいには思えます。

BB5をちゃんと聴く前から、私にとってのグループ最高の曲は"Good Vibrations"、"Heros and Villains"そして"I Get Around"でした。となると、まずその周辺に目が行くのは自然なことで、なるほどスマイルはポシャったけれど、ちゃんとそのうち2曲がセットになって収録されているアルバムがあるじゃないか、と。残骸って言うけど、それぞれ実験性にあふれた当時の時代の雰囲気があって、悪くないんじゃないの?と*1

昔からのファンにしてみれば、しょうがないなあって感じでしょうが、これが良くも悪くも、付加情報にほとんど惑わされずに作品自体のみと私が向き合ってにたどりついた結果です。ただ、昔から聴いてきた人と違うところがあるとすれば、私がこれらの作品を聴いたのは、もう21世紀に入ってからだった、と点があるかもしれません。今だから評価できる、という部分があるんじゃないかと。時代の経過に伴う評価の変化というのは自分でもいくつかの経験*2があるので、なんとなくそんな感じを受けますけど。

さて、しかしスマイルを聴いてしまった以上、そんなことばかりも言ってもいられないという思いもさすがにアリで、今はペットサウンズに本腰入れてとりかかろうというモードに入ってます。でも前述のように手元に音がない(笑)。それで、オリジナル・モノラルミックス盤をアマゾンで注文しました。確か私がすでに持っていたのは、当時出たばかりのステレオミックスだったよなあ?と曖昧な記憶に従って。

今までは「浅いファン」を自認していたけれど、これはいよいよBB5の深みにハマリつつあるということなんでしょうか?!*3

*1:参考までに似たような例を挙げると、ビートルズリボルバーに収録されている"Got To Get You Into My Life"という曲がありますが、あの曲のアンソロジー・バージョンを聴いて、こっちの方が断然好き、と思うようなタイプです。例えばスマイリー・スマイルに収録されている"Wonderful"なんてのは、コレと逆のパターンでレコード化されてしまったって感じがします。スマイル・バージョンは素晴らしいけれど、こちらも好きだなあ。

*2:例えば、70年代にポールのワイルド・ライフを聴いてゴミだと思ってたけど、90年代には、ポールさんゴメン、私が間違ってたよ。これって最高!と思った(笑)

*3:ここの部分は元々「今まではそんな風に思ったことはなかったけれど、たぶんこれって、いよいよBB5のファンになっちゃったって事なんだろうなあ。」となっていました。ここに打ち消し線を入れて書き直そうと思ったら、スタイルシートの設定によりHTMLのタグ指定が無効になってしまうようです(なにしろいじりまくってるのでこんなこともあるかと)。スタイルシートの変更は後にして、とりあえずこういう形で残しておきまする。