FABの謎

FABと言えばビートルズイカした4人だから人呼んでFabulous Four。略してFAB4。ところがこれ以外にFABという言葉と強い結びつきがあるモノがあります。ビートルズと同じ時代に大英帝国から生まれたエヴァーグリーン、サンダーバードです。1960年代に大人気だったサンダーバードは、やはりビートルズと同じようにFAB5と呼ばれていた...わけではありません。

サンダーバードの場合、FABはこのように登場します。

「スコット、急いで現場に出発してくれ」
「こちらサンダーバード1号、エフ・エイ・ビー

ここでの日本語吹替えは、「わかった」「はい、パパ」などがあてられますが、とにかく連中は「了解」の意でFABを使いまくります。国際救助隊のコードなんでしょうが、特に何の説明もなく使われています。読みは「ファブ」ではなく「エフエイビー」です。

そうだ、モノの本*1で以前そんな事を読んだ気がするぞ、と思い出しましたが、実際、英語音声で観ると何度も使われるので、かなり印象的です。

かつてのNHK放映の日本語吹替えしか知らなかった頃にはまったく気づきませんでしたが、ネットで検索していると、英語圏の人たちの間ではむしろ、ビートルズに負けず劣らずサンダーバードとFABという言葉との結びつきが深いという印象を感じます。実際、THUNDERBIRDS F.A.B.というパロディ戯曲まで発見しました。

しかしなぜFABなのか。最初はさすがに1960年代のイギリス制作、などと思いましたが。ビートルズと同じような文脈での使われ方としては、ロンドンエージェントのペネロープのロールスロイスにFAB1というコードがつけられているのが近いのかもしれません。

別の事を調べていて知ったのですが、AMDのCPUであるAthlonの開発コードがThunderbirdで、おまけに出荷していた工場のコードがFab30、などという例もあります。これなんかはサンダーバードとFABの関連付けを雄弁に語っている一例ではありますまいか。

しかし繰返しますが、なぜ「了解」の意でFABというコードが使用されるのか。

かなりギモンに思ったのでネット上で検索かけまくったのですが、海外のサンダーバードサイトですらFabulousの事である、ぐらいの説明しかないので、ナゾは深まるばかりです。じゃあなんで「了解」の意でFabulousなんて答えてるんだよー。

FAQなどで「最も多いと思われる質問は」とまで断っておきながら答えはそれかい?!と憤るケースが多し。

しかし。そんな説明で済んでいるところをみると、やはりビートルズをFAB4と呼んだように、本来のFabulousらしい意味で使われていたのか?!

「ゴードンは連絡を待って魚雷を発射しろ」
サンダーバード4号、イカスぜ。以上」

てな具合のベタな意味合いだったのだろうか。しかし指示を受けるたびに、スゲーよ!とか答えてるのもどうよ(笑)。さて真相は?

*1:サンダーバードで少々生き方を学んだ」(著)漆田公一+サンダーバード研究会(http://members.tripod.com/~kanekopyon/ikikata.html)オトナのためのサンダーバード読本。子供の頃には気づかなかったさまざまな視点がなかなか興味深い一冊。楽しめます。