個人の貢献、集団のチカラ

青色LED訴訟が和解になったわけですが、なんともムズカシイ話だなあと。青色LEDについては、窒化ガリウムを材料にすることにより青色の発光を可能にし、それが大量生産につながり光の三原色が揃い発光ダイオードの応用範囲を一気に広めた、ぐらいの理解なんですが、なにしろ理科はさっぱりなもんで、

特に訳がわかんないのが、青色LED中村修二氏が開発したものではない、とする話です。訴訟相手の日亜化学などは、多くの人たちで開発したぐらいのイキオイなわけで。
調べてみると青色LED自体は、中村氏以前に名古屋大学の赤崎勇という先生が実現していた、なんて話もあり、そういうレベルの話なのかな?と思ったりもしますが、技術の進歩というモノには先人の業績が不可欠で、それも踏まえた上で特許という発明者の権利を保障するシステムが成立していると思うので、完全に独力でないから権利の主張は不適切という考え方とは矛盾するんじゃないか、なんて思うんですけどね。

それと、詳しく調べたら分かるのかもしれないけど、特許による利益が一審での1200億から120億、特許に対する貢献度が50%から5%って、どういう根拠なんでしょうね?なんかあまりにも違いすぎて、しかも数値化しずらい事でもあるので、どうなっているのかと。

あまり金額の事を言うと話がすりかわっちゃう恐れもあるのですが、一審の支払額200億円は高すぎるように思うし、二審の6億円強*1では少なすぎる気がするのは私だけかしら。まあ法律の事はまったく分かってなくて言ってますが(笑)。なんかその辺がウソ臭く感じるんですよねー。

まあそれはさておき、貢献度5%ってのは、最近の発明対価をめぐる企業訴訟で軒並み採用されている値だそうですが、これってこのまま判例化しちゃうのかなあ?特許の内容や業種によって違いがありそうだけど。私などはこの手の成果は結局は人材次第だと考えるタイプなので、個人的には、企業の負担する開発リスクを踏まえても5%ってのは低すぎる気がするのだけどなあ。じゃあどのぐらいならいいのかと言われたら15%ぐらいが妥当かと。もちろんきわめて感覚的な意見です(笑)。

世の中には、明らかに集団でモノを作り上げるというケースがあるのですが、日亜化学が言うように果たして今回の開発がそうであったのか、原告・被告の主張が違いすぎて実に悩ましいところです。

勝手なことを言えば、今後は日本企業で社員の「特別な貢献に対する報酬」の定義化が進むと思われるので、こんなところで和解しないで最高裁まで戦えば良かったんじゃないかと思うのですが。今回の和解内容ではあまりに企業寄りだと思うのは、私の見識のなさ故なんですかねえ。

あー、ホントは全く違う話になるはずだったんだけどなー。おかしいな(笑)。

*1:遅延金抜き