ついにクイーンのハイレゾ音源がリリース!...なんだけど

CDが生産されるようになって、もう30年になろうとしてます。技術の進歩によって、昔に比べてCD自体もかなり音が良くなりました。

その間、CDに変わる新しいメディアフォーマットも模索されているけれど、結局CDに取って代わるほどの決定力にも欠けるようで、その普及度から、当分はCDの時代は変わらないんじゃないかという気配。

ところが、そんな流れとは別に、数年前から、CDを上回る高音質な音楽データが世の中に出回り始めてます。それがいわゆるハイレゾ音源。

一昨年にビートルズのリマスター盤が出たときに、ひっそりとUSBバージョンがリリースされましたが、アレがそうでした。ポール・マッカートニーの「Band On The Run」リマスター盤にも、ハイレゾ音源のダウンロードオプションがついてましたね。

昨今のリマスタリング結果の、より良い受け皿として、CDを超える音質が求められる時代がやってきたとも言えましょう。

CDプレイヤーでは再生できないし、まだiPodでも再生できないので、当分は一般的な存在にならないかもだけど、メディアに依存しない高音質音源のデータ配信は、これからの音楽ソフトのあり方のメインになって行きそう。

海外にはHDtracksのように、ハイレゾ音源の配信を行うサイトもありますが、いよいよ日本国でも、初めてメジャーアーティストのハイレゾ音源配信を行うというニュースがありました。しかも、クイーンで。

クイーン結成40周年の2011年は、全てのクイーンのオリジナル・アルバムが最新リマスター化され、順次リリースとなることはこれまでもお伝えしてきたところだが、更なる高音質の未知なるサウンドが4月21日より登場することが明らかとなった。それが24bit/96kHzというハイレゾ音源の配信の決定だ。

デビュー・アルバムの録音時代から、常に最高の音質をリスナーに届けることを目指してきたクイーンだけに、デジタル録音やリマスターなど常に時代の最先端のクオリティーを追求してきたという歴史がある。そんな彼らに相応しいサウンドこそ、このハイレゾ音源であろう。

配信第1弾には、彼らの活動を総括するに相応しい人気ベスト・アルバム2タイトルが選ばれた。『グレイテスト・ヒッツ』『グレイテスト・ヒッツ VOL.2』ともに、リマスターはあのボブ・ラドウィックによるもの。ジミ・ヘンドリックスポール・マッカートニーローリング・ストーンズザ・フーエリック・クラプトンなどそうそうたるアーティストの名盤をはじめ、1,300以上のアーティストの作品を手掛けてきた世界最高峰のマスタリング・エンジニアだが、オリジナル・マスターに立ち返った最新のリマスタリングによって、かつて誰も聴いたことのない特別な音源として見事にブラッシュアップされているという。

40年の歴史を経て、まだ誰も聴いたことのないクイーンのサウンドの登場だ。もちろん配信するのは、高音質配信の老舗e-onkyo musicから。ちなみに、ロックの殿堂入りを果たしたアーティストとしても、ハイレゾ音源が配信されるのはこれが国内初のこと。2011年のクイーンは熱すぎる。


をを、クイーンのサウンドハイレゾ音源で!なんと喜ばしいことか!

...と、なるところだったのだけど、DRM付です...Windows Media Playerでしか再生できません。

DRM付の音楽配信は、やっぱりダメだろ...配信側でもそのような認識になっている現在の世界的なトレンドを、いったいどうお考えか。せっかくのクイーン初ハイレゾ音源リリースなのに、ナンセンス。せっかく配信権取って、何やってるんでしょう。世界の笑いものになってませんか?大丈夫?

おまけに、PC交換とかシステム側のちょっとした変更で、ライセンス消えたりするし。なにそれ。

はああ...相変わらずの日本クオリティ。いつもの大人の業界事情優先で、商品やマーケットが魅力的かなんて二の次なんでしょう。従順な日本人は囲い込めばそれでも売れると思ってるから、平気でこんな欠陥商品をドヤ顔で売りに出しちゃうんだよ。

もういいかげん、こんなビジネスモデルじゃダメだって、気づいてくれないかしら。世界中で新しい音楽配信の姿を模索している時なのに。自分でマーケットの首しめてないか。

しかも高い。

という訳で、とりあえず購入はナシ。そのうち、HDtracksででも取り扱い始めたら買おうっと。

ビートルズストーンズもフーもキンクスも、そんな妙なガードなしで素晴らしいハイレゾ音源が提供されている事の意味を、日本の配給者も考えて欲しいよ。

クイーンも今回はベスト盤のリリースだけど、オリジナルアルバムがハイレゾ化される頃までに、そんな具合になってくれればOKです。よろしくよろしく。