2人いる!

音楽学生だった頃から、音楽の成立要素としての「少ない人数(人力)でどこまで表現できるか」という価値に、あまり興味が持てずにいるのだ。

たとえば何だろうな、誤解を恐れず言ってしまえば、ELPとか、好きだけど、多くの内容を盛り込もうとしつつ、でも音楽的に3人にこだわる意味ってどれほどあるのかなとつい思ってしまう、そんな感じかな。

人数が少なければ、個々のプレイヤーの裁量も増すわけで、各々の演奏がそれぞれ作用しつつも、自由に個性を発揮できる幅が広がる。まあ、それがコンボスタイルの妙でもあるわけだけど。

もちろんそれが大して価値を持たないなどとは思わないし、そのような音楽が生むテンションの高さを求めて音楽に接する人があるのは当然とも思う。だけど、私はそういうタイプではないよね、ってだけの話。

いままでも何度か書いてきたけど、でも、どっちかだけってのもあり得ない。そちら寄りぐらいな感じで捉えていただければ。音響より音韻を重視派。

話戻って、ELPも、もしあと一人いたとしたら、ある程度テンションが損なわれるかもだけど、表現できる事はもっと増えるはずだし、私だったらそちらを選ぶと思うよ。という事。私は音楽に対してそのような価値観を持っているのだ。


特に私にそう思わせるパートがあって、それはドラムなんだけど、いくらジャズの頃からの習慣とはいえ、複数の打楽器を一人のプレイヤーがまとめて処理しなければならない意味ってなんだ?と若い頃から思っていた。サンバなんかで大人数が打楽器を叩くのが好きなのだ。

今では自分なりの納得できる理由もあるけど、でも人数増やしたほうがもっと面白くならない?と思う部分もなくなっていない。そんな訳で、私は昔からツイン・ドラムが好きなのだ。

70年代。10代の頃に好きだったグループ、The Doobie Brothers、The Allman Brothers Band、10cc。音楽のタイプは違えども、みなツイン・ドラムでライブをやるグループだ。それらのライブ盤を聴きながら、うねるリズムの快感に身をゆだねる少年だった訳です。特に、BYGのようなラウドな環境でDoobiesやAllmansを散々聴いてきた。

The Allman Brothers at Fillmore East

The Allman Brothers at Fillmore East

On Stage

On Stage

だから、そのうち一度はツイン・ドラムのバンドをやってみたいなーとかねてから思っているのだけれど、ちょっと想像するだけで、練習スタジオの選択や会場の設置など、相当面倒くさいという事が分かる。

プロなら大した問題ではないと思うけど、なんだかあまりにハードルが高くて、初めから腰が引けてしまうですよ。実現の日は来るのだろうか?!