鴛鴦歌合戦

知る人ぞ知る、戦前の傑作和風オペレッタ映画、鴛鴦歌合戦。なんの予備知識もなしに観たら、ぶっとぶこと請け合い。

私は、昔NHKで深夜に放送しているのを見かけて、カラダに電流が走るようなショックを受けたものです。あわてて途中から録画開始したのは言うまでもありませぬ。

舞台は徳川時代の江戸の町。お気楽浪人をめぐる恋の鞘当に、骨董道楽者達のドタバタを絡めたコメディ。なのだけど、なにしろオペレッタなので、登場人物が歌う歌う。

これがすでに中国と戦争が始まってる時代の日本の作品というからびっくり。なんだかものすごく暗い時代というイメージがあるけれど、作品は底抜けに陽気で愉快なものになっているのだ。


さて、ようつべで探してみたら、ちょっとだけ出てきました。個人的には、おしどりと言えばまずこのシーン!骨董好きなバカ殿の登場シーン。

ディック・ミネ「♪ぼくは若い殿様」

演ずるのはディック・ミネなんだけど、この腰砕け具合がなんともいい味を出してますよ。それにしても、衣装・シチュエーション・音楽の組み合わせがあまりにもスゴイ!

本日も良いブツをを入手してゴキゲンな殿様が、ヒロインの市川春代をみそめるというシーン。

そのヒロインと、想い人の浪人。のツーショットシーン。

ふつうに考えたらこの二人が主人公なんだけど、周りのキャラが濃すぎて、個人的には印象が浅いです(笑)。

片岡千恵蔵市川春代


当初は、途中録画のテープを繰り返し観ていたのだけど、ヤフオクで探し回って、やっとLDを手に入れました。これで初めて頭から観ることが出来ました。

ここでは紹介できないけれど、劇中ではけっこうキャッチーな曲ぞろいで、その点もポイント高いです。サウンドはジャズがベースですが、場面は時代劇というギャップは破壊力あるです。

LDを探していた頃、むかしキネマ旬報だったかの増刊号で、劇中曲の楽譜一挙掲載、というお宝本があることを知ったけれど、その後いくら探してもまったくカスリもしませんよ。神保町あたりに出かければあるのか?!でも古賀書店でも見たことないよ。


しかし惜しまれるのは、画質の劣化。これだけでも観れるだけ御の字とも言えるけど、もっと絵がきれいだったらとは正直思うですよ。
デジタル処理である程度改善することが出来そうだけど、そこまで金を掛けられないのか。

いっそのこと、リメイク版があってもいいかもな?という気がしないでもないです。