打つべし!打つべし!

情報入力というお仕事は、早く大量に

1984年から5年ほど、情報入力のバイトをやってました。これは業界誌の記事や論文などをデータベースに入力する、という会社のお仕事。

入力内容は、いろんなモノがありましたが、特に印象に残ったのは医療系の記事。臨床結果の論文とかなんですが、薬って、けっこうヤバイねー!などとバイト仲間で話題になったりしました。

で、こういうお仕事なので、とにかく早く大量にかつ正確に入力する事が求められます。それは個人的なスキルに拠るところも、もちろんあります。

私が働いていた入力のセクションの他に、校正のセクションもあって、入力済みデータが校正されるんですが、あまりここでお世話にならない人が優秀、ということになりますが、平均的には、大体2回ほど校正が入ったあたりで完パケするという具合だったと記憶してます。

ソレとは別に、より早く入力するためのシステムも用意されていました。それは、文字の直接入力を可能にするアプリケーション。

漢字変換フリーで日本語入力

通常、PCでの日本語入力というと、かな入力・ローマ字入力の違いはあれど、ほとんどの人が漢字変換を思い浮かべると思います。

ところが、同音異語の多い日本語のこと、この変換と云う作業が意外と時間を食います。いくら辞書学習しても、所詮は程度問題。英文をタイプする時との感覚と比べれば、その違いは歴然です。

で、この仕事では、その問題を避けるため、漢字変換なしで日本語を入力するアプリを使用していました。具体的に、どうやって文字入力するか、思いつきますか?

このアプリは、2つのキーの組み合わせで、1つの文字が入力される物でした。

例えば、「T」と「J」をタイプすると「通」という字が入力される。これを逆にして「J」「T」とタイプすると「空」という字が入力される。

これをやると、変換しながらより早く日本語が入力できるようになります。慣れると、もう、ちまちま変換なんてやってらんない。

そのためには

ただし。

この2つのキーの組み合わせが分からないと入力不能(笑)。そこで、いちおうキーボードの上に、会社が用意した配列表を置き、それを参照しつつ打つ訳です。

第一水準漢字用がメインで、第二、第三水準漢字用がサブ。2つありました。

でも、大量の原稿を処理しなければならないため、しばらくやっていると、けっこう覚えるモノなのです。休みが多かったとはいえ、一応この仕事を5年ほどやったため、当時のみんのアタマには、少なからぬ漢字の配列が入っておりました。

このアプリが市販物だったら、迷わず買っていたはずだけど、おそらくこの会社のSEの方が開発したモノかと思います。当時は8ビットPCの時代で、OSはCP/M-86でした。

似たようなアプリを見かけたことはありますが、私が使っていたモノとは配列が違っていた。それでは5年間積み上げたスキルがムダになるので、縁がなかった。

タイピングチューターのゲームでは負け知らず

その仕事を離れて、漢字変換で日本語入力するようになったら、かなりストレス溜まりましたねー。一時は、自分でプログラムして作ろうかと、マジで思ってました。まだ、配列がアタマに残っていたうちは。

結局、数年で忘れちゃったので、もう後の祭ですが(笑)。

ただ、この独自の入力方法は別としても、単純にタイピングスキルが上達しましたよ。英字・かな、それぞれ。

その後、外資系企業で仕事するようになったので、それ以来キーボードは英語配列(101キーボード)をメインで使うようになり、かな入力の方はちょっとごぶさたですが。

キーボード依存症だね

最近ではノートPCを使う機会が圧倒的に多いですが、意外な落とし穴がありました。

パームレストを使うクセがついて、結果、タイピングが昔ほど早くなくなったかなあ。ひょっとしてキータッチの質のせいかもしれないけど。

それでも、ケータイでちまちま入力するよりは、格段に自由度が高いです。あまりのギャップの大きさに、とてもストレスフルなため、ケータイで文字入力しようと云う気が起きません。思わぬ副作用(笑)。

iPhoneになって、かなりマシになりましたが、やっぱり一番自由度が高いのはキーボード入力。もう一生変わらないだろうなあ。