校歌ニューウェーヴ

今日から夏の甲子園大会がはじまりました。たまたま第1試合の終盤から見かけたら、勝った群馬代表健大高崎高校の校歌がすごかった。さっそくようつべにULされてましたよ(笑)。

いきなり出だしから♪Be together, Be together, Let's be together♪ですからね。ドギモを抜かれました。おまけに途中で"Wow Wow"言ってるし。

それで思うところあって検索行為に走ったら、お目当ての情報は見つからず、しかし、今回の甲子園出場校で、もうひとつ「新しい」校歌が話題の学校を発見。それが愛知代表至学館高校。こちらは地方大会の映像がニコ動にありました。この校歌っぽくなさはどうよ(笑)。

甲子園には8日の第4試合で登場のようです。楽しみですね。録画スタンバっておこう(笑)。今の甲子園大会は、勝たなくても校歌タイムで曲が流れるからね。

今日の健大高崎高校にしても明後日の至学館高校にしても、ナウでヤングすぎて、私たち日本人が通常「校歌っぽい」と思う枠を軽やかに飛び越えてます。しかし、考えてみれば、校歌かくあるべし、なんてあまり根拠はないので、それに人々が気づいてしまった今、続々と「校歌ばなれ」した校歌が生まれてゆくのかも。


ところで、当初私が検索で探していたものは何か。上記2校のようなものとは別の意味で「校歌ばなれ」した校歌を持つ学校が甲子園に出場したことがあったんです。

いくら検索しても情報に当たらないし、私の手元にも証拠のビデオが残って無いので完全に記憶モードなのだけど、確かそれは1984年のセンバツに出場した東東京代表、岩倉高校

それはどんな曲だったのか、具体的な音なしに音楽を説明するのはとてもむずかしい&もう27年前の事なので結構ウロなのだけど、通常の校歌に不可解なピアノ伴奏のついた、とても不条理なサウンドを持つ校歌、というもの。

なんかね、現代音楽的な不協和音とかテンションとか、そういうのとも全然違う、何か悪い冗談みたいな感じ。

当時、なんとなく見ていた高校野球の試合後に流れてきた校歌に、思わず耳を疑うような衝撃を受けたものですが、当時音楽学生だったみんの推察も交え、「事件」は以下のような流れであったかと。

    1. どうやら、校歌のテープ音源は、出場校が各自用意してくるもののようだ。
    2. 岩倉高校は、甲子園初出場。今回のために、あわてて音源を用意する事になったのだろう。
    3. しかし、不幸なことに音楽の先生がピアノや和音に疎い人だった(学生時代に、専攻を問わず必ず副科でピアノのレッスンは受けたはずだし、もちろん和声の授業もあるけど、双方不得手だったというような、レアだけどあり得なくはない不幸なケース。たぶん専攻は声楽?打楽器?楽理など非楽器学問系の人は得てしてピアノが達者)。
    4. いやよく分かりませんとも言えず、先生、感覚を頼りにエイヤッと伴奏を付けてみた。ちょっと自信ないけど、時間も無いので、そのまま録音した。
    5. なんかおかしい…と思った人も居たかもだけど、音楽の先生が作ったので間違いなかろうとやり過ごした。
    6. 甲子園で岩倉高校が勝つたびに、その不条理なサウンドが全国のお茶の間に流れた。

ところで、当の岩倉高校、学内ではそれまではどうやって校歌斉唱していたのでしょうか?私の推測では、つねに伴奏ナシで、「さんハイっ」の合図と共に歌っていた、という事になってます。

まさか、あの伴奏は急ごしらえの不幸な事故ではなく、実はそれまで何十年もずっと使用され続けていたものなのだ、なんて真相は恐ろしすぎて考えたくありません(笑)。


で、この年、岩倉高校は初出場ながらなんと優勝を遂げました*1。それでは決勝戦までこの不穏な音楽が流れ続けたのか。答えは否。たぶん3回戦に勝ったときぐらいからか、ちゃんとした伴奏のニューバージョンと差し替えになってしましました。

1回勝っただけでは、見落とした人も多かったでしょう。もしくは、なんかエライものを聞いたかも?でも初出場だし、たぶん次は負けるから、みなかった事にしよう、とか。

2回勝ったあたりで、さすがにコレはマズイ!と諸関係者(岩倉高校関係者のみに非ず)がざわついた事は想像に難くありません。急遽、新録の準備が動き出し、差し替えの運びとなったのでしょう。

当然私は「これは記録しておかねば!」と思い録画したのだけど、そこからニューバージョンになってがっかりした覚えアリ。なので、手元に音源は残らず。あのサウンドも以後耳にすることもなく、闇のかなたへ消えてしまいました。

このネットの時代なら、どこかに流出してるかも?!と思うのだけど、みつかりませんねー。あまりに情報がないので、ホントに岩倉高校だったかな?どっか別の学校だった?とか疑心が暗鬼を生みはじめる始末。どこかに音源、ないものかしら。

*1:優勝を遂げました:決勝の相手は、なんと桑田・清原時代のPL学園。あのチームに勝った数少ないチームが、この年の岩倉高校